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| 山梨県家庭教師協会 富士吉田事務局 中野 泰先生 早稲田大学教育学部卒 |
これらの点を踏まえ、過去問集を活用することから対策を始めました。あらゆる種類の試験で言えることですが、必ず出題者側の好む内容、出題方式の癖があります。ですから参考書もそれに合った内容のものを選ぶ必要があると思いますが、とくに難関校を目指す場合に活用できる本をここで幾つか紹介致します。既にご存じかもしれませんが、受験対策の助力となれば幸いです。
背景知識の習得については、Z会の「テーマ別英単語Academic編」をお薦めします。中級編と上級編があり、それぞれ人文・社会科学と自然科学の二つに分かれます。いずれも分量は多くやや難解ですが、個々の文章はそれほど長くなく取り組みやすい内容です。時間があまりない場合はプレイスの「英文読解の正体」を推薦します。これは十数年前に出版された「英文読解以前」の続編で、Z会とほぼ同じ体裁でジャンル別にまとめられています。
文章表現・構成の理解については、論創社の「英文読解のグラマティカ」、「早慶攻略英文読解のタクティクス」をお薦めします。情報構造を扱った一種の構文論で高度な内容ですので、教材にするよりも講読の際の参考資料にする方が適切だと思われます。情報構造とは旧(既存)→新(付加)の情報の流れを示すもので、センテンス間の関係を把握するための手引きとなります。例えば、
A.Many high school students in Yamanashi use a bicycle to go to school.
B.In Yamanashi, a bicycle is used by many high school students to go
to school.
という二つの文は意味的には同じでも、情報の性質が異なります。Aは「自転車を利用している」という情報が、一方Bは受動態により「多くの高校生が」という情報が付加されていると読むことができます。こうした表現の違いによって、後に続く内容も変わります。例えばAは「山梨の高校生の生活実態」、Bは「利用者に高校生が多い理由」の説明が続くかもしれません。
ところで、現代の学生は早期教育やオーラル授業の導入などで、私達の学生時代と比べ実用面の学習は充実しています。しかし情報享受のスキルは発達していく傍らで、学習姿勢は消極的になっている印象を受けます。「興味のない事をなぜそこまで考える必要があるのか?」のような生徒の疑問(愚痴)を度々耳にすることがあり、これは学校や塾などの簡易合理化された教育システムでは解決できない問題です。また昨今の歴史教科書のように、教科内容の形骸化(改悪)も興味を削がれる原因の一つかもしれません。そうした諸問題を解消していくことも家庭教師に課せられた副次的な役割ではないかと感じております。